Case Study 株式会社 YDKテクノロジーズ
(旧:横河電子機器株式会社)
IoT多点観測システムをAzureとPower BIの活用で新価値創造

  • Azure
  • Power BI

会社概要

株式会社 YDKテクノロジーズ

株式会社YDKテクノロジーズ(旧:横河電子機器株式会社)は気象・水文観測機器の国内トップメーカであり、環境計測事業部門の前身は、1852年(嘉永5年)創業と歴史ある企業です。

2018年に全国的に整備が開始された危機管理型水位計では、多くのシェアを獲得し、現在も地域の安心・安全を担うメーカとして、さまざまな取り組みを行っています。また、気象庁の地上気象観測システムを一括受注し、全国の気象台や測候所で当社製の観測機器が天気予報や防災対策に活躍しています。

(左から)ソリューション技術部長 浦野様、環境計測事業統括室長 浅宮様、ソリューション技術部ソフトGr長 見目様、ソリューション技術部ソフトGr 初田様

(左から)ソリューション技術部長 浦野様、環境計測事業統括室長 浅宮様、ソリューション技術部ソフトGr長 見目様、ソリューション技術部ソフトGr 初田様

今回のシステム開発 の経緯、システムの概要

世の中のDXの流れでクラウド化がより重要になってきており、当社としてもクラウドを活用したシステム開発がマストだと判断しました。
これまで官公庁、市町村など多くの地方自治体との関りの中で、実際に多くのお客様が自前のサーバ管理や、観測設備の維持管理にたくさん課題を抱えていました。
地域の安心、安全を担うメーカとして、これらのお客様の課題を一つでも解決したいと考えました。

株式会社 YDKテクノロジーズ

本取り組みのこれまでの課題

株式会社 YDKテクノロジーズ

―本システムを開発(ビジネス展開)しようとされたきっかけは?

昨今の水害の頻発化は激しく、「50年に一度の大雨」や「観測史上初めての大雨」などという言葉も多く耳にするようになりました。
これらの水害の頻発化、激甚化への対応として、国主導の施策「危機管理型水位計」に大きく貢献はしてまいりました。
しかし、この施策だけでは地方自治体の防災・減災対応は不十分であり、国内メーカとして自治体が求めるソリューションの提供ができないものかと考えていました。
このような課題に対し、我々としてどのような貢献が出来るのか。これまでのハード面での対策だけでなく、ソフト面での課題においても我々のソリューションで解決したいと思ったことがきっかけです。

―その中でも、これまで貴社が重要視していたことはなんでしょうか?

第一に「ヒトの安心安全に貢献すること」です。
当社の提供するシステムは、国の重要な基本データを取得するシステムであり、防災・減災施策に利用するものです。従って、正確性と確実性を兼ね備えたシステムを提供をし続けなければなりません。
昔はある程度、決まった場所で局所集中的に起きていたような水害も、今は全国どこでも発生しうる状況です。
水害はどこでも起きるという前提で、いかに早くヒトが逃げられるための情報を提供できるかが重要になると考えます。
水害だけでなく、土砂災害なども含めて人命に大きく影響を与えます。
警戒区域は設定しているものの、まだまだ設備としては不十分なところが多いです。
また、水位計を設置するだけで終わってしまうと、いざ使用したい時に故障等で正しいデータを取得できないという問題や、災害時の各自治体の人員不足など課題もあります。
我々が提供するシステムで常に稼働状況の監視や、情報の漏れもなくし、防災減災のためにすべての側面から役立ちたいと思っています。

―今回の取り組みに関して課題、リスクに感じていた部分はありましたか?

我々は水位計に関する技術や知識は長年培ってきました。今回の取り組みの課題は、クラウド化すること、そしてクラウド技術の理解と習得、その活用方法です。クラウド化したものを製品化するにあたり、製品化の後、5年、10年先どのように維持・運用・管理していけばいいのか不安がありました。

―クラウドを導入するにあたり、不安な点やデメリットに感じるような部分はありましたか?

運用、維持費用が不明であり、当面は当社の費用負担となることや、絶対的な国内のIT技術者不足による、リソース確保の困難さを感じていました。
ですが、これらの不安な点は、本システムを構築する前にカラクルさんと小さなシステムの構築とPower BIの運用などのトライアルをしていただいていたので、ある程度の理解の上で、取り組むことができました。
費用面に関しても、当社だけは見通しがつかなかったところ、クラウドを熟知しているカラクルさんに丁寧に提案いただきました。

Colorkrew(くらまね、Power BI)との共同開発において

株式会社 YDKテクノロジーズ

―今回のビジネス展開で、貴社内で変化や反応はいかがでしょうか?

従来、当社の開発スタイルは社内でできることは内部でやるという方針でした。今回のように大きなシステムの中核を社外にお願いして、我々のやりたいことを実現するということは初めてのことでした。
本件がきっかけで社内だけでは実現が困難なことを、社外(カラクルさん)との協業により実現が可能となり従来の開発体制(社内開発)からの脱却にも貢献していると感じます。
また、お客様満足度向上の視点においても、販売した製品の状況をつぶさに監視できる点は、今後のサービス体制の変革に繋がるとの期待が大きいと感じています。

―地方自治体(秦野市)からの反応はいかがでしょうか?

秦野市とは、本年の6月より「災害対応における河川水位などの観測」に関し共同実証実験(PoC)を開始し、実際に秦野市職員様に本システムを利用して頂き、意見交換会などを通じて秦野市の災害対応と本システムの完成度の向上を目指しています。
秦野市の担当職員様との意見交換会では、「本システムで得られた水位や雨量、画像から、激しい降雨の影響による水位の上昇など、今まで持ち合わせていなかった情報が今後の防災計画に活用できるだろう。」とのコメントを頂いています。また、職員様が操作をする画面レイアウトや機能の改善点など、実際の現場からの声は、より良いシステム構築に向けての貴重な意見となっています。

株式会社 YDKテクノロジーズ

今後の展望

株式会社 YDKテクノロジーズ

―今後の貴社および本ビジネスの展望を教えてください

現在は、秦野市との取り組みになりますが、今後は全国の地方自治体へ拡販し、全国民の安心・安全に貢献していきたいと思っています。
また、システム(入出力、適合センサ)の拡充によるビジネス拡大や、ビッグデータの活用を行い、付加価値の高い情報を提供してまいります。
今回の取り組みでも、ビッグデータを取得できますので、これらのナレッジをためて「予知」の領域にむけて挑戦できる準備もしていきたいと思っています。

最後に

―くらまね、Power BIと、Colorkrewに期待することは?

今回の開発はあくまでスタート地点です。
これから挑戦していかなければならないことがたくさんありますので、今後も最強のパートナーとして長いお付き合いをお願いしたいと思っています!
カラクルさんは、Microsoft Azureのパートナー最高位 Gold Cloud Platformの企業であること、そして絶大なる信頼がおける技術力の高さを持っておられます。
社風もユニークで独特ですし、これからも色々なアイデアを創出してくれるのではないかと期待しております!

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